お茶の種子と研究開発
当園では、通常の茶園では生産されていない「お茶の種子」の栄養に注目し、種子を使った商品をはじめ、茶樹(茶葉・茶実・茶花・茶根)をあますことなくまるごと楽しめる商品の研究開発を行っています。
お茶の生命サイクル
お茶の樹にも、花が咲き、枯れ落ち、実が成り、種子ができるという植物本来の生命サイクルがあります。
通常のお茶畑では、葉が伸びると刈り取るを繰り返すため、花が咲くことはありません。
当園には、あえて葉を刈らず、花を咲かせて種子を収穫するための畑を持ち、商品作りを行なっております。
茶の種子収穫専用の畑
毎年9月頃になると、綺麗な白いお茶の花が咲きます。
蜂や昆虫が受粉をし、花が枯れ落ちた後、1年2か月ほど経つとビワのような実が成ります。
12月頃、熟した実の中に種子が3つ付き、大地にこぼれ落ちてきます。
分析の結果、お茶の種子には、オレイン酸やリノール酸、α-トコフェロール(ビタミンE)などの栄養素が豊富に含まれていることがわかりました。
茶の種子の断面
特許製法
お茶は酸化しやすく、劣化しやすい素材です。特に粉末にすると、風味が飛び、退色しやすくなります。当園では、1997年以来、微粉末技術とお茶の種子の栄養価に着目し、研究開発を行なっておりました。
2001年にお茶の種子を活かした退色防止粉末茶「茶の種子緑茶」を開発し、2013年に製法特許を取得いたしました。
茶葉を茶の種子で包み込み、茶葉の旨味成分を閉じ込める独自製法。
同時に、退色変色を防ぎ、色鮮やかで沈殿しにくい粉末茶製法として認められました。
特許第5307622号
粉末茶及びその製造方法
石臼へのこだわり
当園では、茨城県桜川市の羽黒地区から採掘された三大銘石のひとつ「羽黒青糠目石(はぐろあおぬかめいし)」を使った特注の石臼を使用しております。
気流式粉砕に比べ、破壊熱で茶葉の組織を壊すことなく、繊細でまろやかな味わいのある微粉末になります。
一般的な石臼の目
当園石臼の目
その他
猿島茶の茶葉と種子を利用した機能性食品等の原材料の開発により、2007年12月13日に経済産業省から猿島茶活用事業を認定されました
日本大学 生物資源科学部 鳥居恭好准教授と茶の種子の研究において提携し、2011年にアメリカニューオリンズで開催されたITF Annual Meeting&Food2011において、「茶の種子オイルの栄養と機能の評価」についての論文を発表。